復職する部下を持つ上司必見!休職経験者が考える理想の復職サポート体制はこれだ。

メンタルヘルス

精神疾患での休職から復職する部下を持つ方は、どのように接すれば良いのか悩まれることでしょう。特別扱いすれば周囲の不満につながり、だからといって再休職されても困りますよね。

この記事では、実際に休職→復職を経験したOLの視点で、復職のサポート体制の理想形を書いていきます。

職場復帰の基本は「ソフトランディング」

業務復帰はソフトランディングを基本としてください。病院での復職許可が出ても、休職前と100%同じ状態に戻っていることはほとんどありません。

復帰初日から1週間

復職初日は、最初に面談する時間をとってください。今後の復帰計画を伝えたり、何かあればいつでも相談していいということを伝えておくことが重要です。また、復職者側からの要望があれば聞いておくこともおすすめします。これを逃すと意外と後からは何も言いづらくなります。

なお初日は溜まった未読メールを眺めるというタスクで十分です。数ヶ月休んでいれば、ざっと目を通すだけで一日が終わります。

また、会議にオブザーバーとして参加させるというのも良いでしょう。会議というシャワーをひたすら浴びせているうちに、「仕事ってこんな感じだったなあ」という感覚を取り戻します。

最初の一週間は、あくまでも復職の助走期間としてください。

2週目から2ヶ月目

安定して一日オフィスにいることが出来るようであれば、簡単なタスクを渡してみてください。例えば資料作成や、データ整理、事務処理などがちょうど良いです。

可能であれば会議での発言を求めたり、軽めのプレゼンを依頼するのも良いでしょう。

あまりに仕事を与えず暇にさせてしまうと、申し訳なさや必要とされていないという気持ちを感じてしまう場合もあるので、適度に仕事を振っていってください

ただし、これぐらいのタイミングで再休職するパターンもあるようなので、あくまでも本人の体調が許す範囲で業務内容や業務量を調整していくことが重要です。

3ヶ月目から半年目

この時期は、通常の7~8割ぐらいの業務がちょうどよいのではないでしょうか。例えば、主担当ではなく副担当として働いてもらったり、反対にフォローとして副担当をつけてあげたりといった方法もあります。

復職がうまくいっているという自信や、仕事に対する意欲を取り戻している可能性もあるので、本人の意思と実際の業務遂行状況を見ながら、仕事を任せていくと良いでしょう。

半年目以降

ここまで耐えられれば、ある程度安定して復帰できていると考えても良いのではないでしょうか。

本来期待される水準や内容の業務を任せ、厳しければ本人から相談をもらうようにしておけばよいと思います。

接し方のポイント

復帰初期の声掛け

上司の場合、「初日は会社に出社できただけで合格」「これから少しずつ頑張ろう」といった声掛けが良いと思います。ほかにも、同僚であれば「復帰を待っていたよ」「戻ってきてくれてよかった」という一言をかけてあげるといいでしょう。個人的な経験としても、この言葉が一番うれしかったです。

ちなみに、「調子よさそうだね」といった体調に関する一言は微妙なところです。復職する人も、そのように見せているだけという可能性も高いためです。またこの時期に休職中のことを根ほり葉ほり聞いたりするのも避けたほうが良いでしょう。周りが思っているより本人にとってはセンシティブな話題です。

あとはただ普通に接してもらえれば十分です。子供のころ、休んだ次の日学校に行くだけでも少し緊張した経験を誰もが持っているのではないでしょうか。でも登校してしまえば、誰も自分が休んでいたことなど関係なく普通の日常に戻っていきますよね。

復職する人は、その何倍もの緊張感を持っていると思ってください。休んだ分迷惑をかけて申し分けなかった、周囲にどう思われているだろう、本当にまた働くことができるのかなど、沢山の不安を抱えて復職日を迎えている人が多いと思います。そんな中、「あ、意外と誰も何も思ってないかも」と思える状況を作ることが大事です。

復帰挨拶は避ける

全員の前での挨拶などは可能な限り避けてください。休職期間、他人とあまりかかわらない生活をしていた人にとって、いきなり人前で話すのはストレスに感じる人が多いはずです。本人の意思に応じてですが、お礼や謝罪の気持ちを伝えるのは個別にするのでも十分だと思います。とはいえ、部署異動などでそういった機会が必須の場合は、事前に伝えておくと良いでしょう。

定期的に面談する機会を設ける

復職後1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後といったスパンで30分ほど面談をする機会を持つことをおすすめします。そこで体調や仕事に対する意欲の確認をし、徐々に業務内容や業務量を期待する水準にまで上げていけると良いでしょう。

定期的に1to1のコミュニケーションをとることは、普段復職者自身からは相談しづらいことを伝える良い機会にもなります。

普段の様子をよく観察する

精神疾患は一般に再発することが多いと言われています。順調に復帰できていると思っていたら、何かのきっかけでまた休職してしまう可能性も高いです。再発するといっても、調子を崩す予兆はあるはずで、それは周囲が気付ける場合もあります。

表情が乏しくなった、急激に痩せた(太った)、口数が減った、発言がおかしいなど、いつもと様子が違うなと思ったら、個別で声をかけてみてください。調子を崩し始めていることに本人が気づいていない場合もあります。調子の崩し始めであれば、業務負担の調整や有休取得などですぐに回復出来るかもしれません。

復職後、本人が自分の病気とうまく付き合いながら働く方法を考えることも重要ですが、上司や同僚など周囲の協力やサポートによって、再度しっかりと働けるようになる可能性も高いのです。

以上、休職から復職を果たしたOLが考える、理想のサポート体制でした。実際には、ここまで一人にケアできないよということもあるかと思いますが、部下のメンタルヘルスも上司の役割の一つということで、ぜひ実践してみてください。

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